●PCJ Interview
・File12 飯田かずな
・File11 河合俊哉
・File10 酒匂オサム
・File09 P.M.Ken

・File08 高木こずえ
・File07 太田拓実
・File06 鈴木心
・File05 青山裕企
・File04 小山泰介
・File03 奥本昭久
・File02 常盤響
・File01 辻佐織

●Company File
・File08 アドビ システムズ
・File07 富士フイルム
・File06 駒村商会
・File05 ジナー
・File04 ハッセルブラッド
・File03 シグマ
・File02 フェーズワン
・File01 ライカ

●Overseas Photographers
File09 Josh Madson
・File08 Michael Kenna
・File07 Todd McLellan
・File06 Mona Kuhn
・File05 Diana Scheunemann
・File04 Albert Watson
・File03 Nick Meek
・File02 Rankin
・File01 Ron van Dongen

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▲宝島社ブランドムック「e-mook 森ガールLesson2」(デジタル撮影)2010年(クリックで拡大)

▲Webマガジン「stylif モバイルサイト http://syf.jp」(デジタル撮影)2010年(クリックで拡大)


▲祥伝社「Zipper2010年7月号」(デジタル撮影)2010年(クリックで拡大)



●Adobe Photoshop Lightroomは欠かせないツール

−−撮影して現像して納品まではいろいろな流れがあると思いますが、奥本さんの一般的な仕事の流れどういった感じですか。

奥本:今はカメラはメインがキヤノンの5D Mark IIで、それと並行してフェーズワンのP25+をハッセルで使っています。Vマウントのほうですけど。

−−マニアですね(笑)。

奥本:あっちのレンズのほうがいい気がしないですか? Hは悪くないんでしょうけど味気ないのがイヤなので。

−−撮影はP25+のほうが多いのですか。

常本:内容によってですね。三脚を置いて撮れるものはフェーズワンを使うことも多いですけど、手持ちで撮るときはやっぱり5Dです。

色の出し方とかすごく気分的なもので、今日の気分だったらフェーズワンのトーンだよねとか。レンズのこともあって、パキッときていてもいいときは5Dでいいし、ちょっとニュアンスつけたいときにはフェーズワンを使ったりという判断です。でもどっちを使うにしろ、とにかくパソコンで表示しながら、確認しながらです。


−−いずれにしても連結撮影でやっているのですね。5Dも連結ですか。

奥本:連結です。基本的にブラウジングするのは、フェーズワンにしろ5DにしろLightroomを使っているんですよ。

−−フェーズワンの場合はCaputure Oneは使わないのですか。

奥本:みんなCaputure One使っていますよね。僕は使いづらく感じているので、Caputure Oneで読み込ませるだけ読み込ませて、その読み込んだものをそのままLightroomにトンと吸い上げさせます。そこからの管理は全部Lightroomなんですよ。

−−そこからは統一しているのですね。

奥本:そうですね。RAWデータの吸い込みだけそれぞれ、キヤノンは付属のEOS Utolity、フェーズワンはCaputure Oneでやっておいて、処理はLightroomです。Caputure OneもApertureもTPPもBridgeも使ったけれど、BridgeとLightroomの差がいまいち分からなくて。管理するんだったらBridgeよりLightroomのほうがいいですよね。

−−そうですね。

奥本:僕はLightroomをみんなにすごくオススメするんですけど、まだBridgeの人は多いですよね。

−−Lightroomが出てきたのが若干遅めだったので、Bridgeに慣れているからですかね。Lightroomは奥本さんのようなワークフローに最適ですよね。

奥本:僕はLightroomのVer.1を買って以来、Ver.3までずっとLightroomが一番使いやすいと思いながら使っているんです。セレクトもLightroom上でできるし。要は現場でブラウジングしながら撮るので、見てもらって、トーンの話とかもある程度そこで詰めながらいくんです。色味もそうです。Lightroomで全部やって。基本的なトーンの調整もLightroomで全部やりきっちゃうんですよ。

−−それなら5Dもフェーズワンも、1つの統一したテイストにできますね。

奥本:そうなんです。僕はLightroomのトーンの調整がすごく気に入っているんです。だから、仕事の内容によってはPhotoshopまでいかない場合も時にはあります。

−−現像だけで済んでしまう。

奥本:はい、レタッチまでは、雑誌の内容によってはする必要がないですよね。僕はレタッチはカメラマンの仕事だと思っていません。絵を作ることに関してはカメラマンの仕事だけど、例えば肌をキレイにするとか傷を消すとかは印刷会社でもできるし、カメラマンの仕事ではないと思っているんです。

−−なるほど。

奥本:絵のトーンと全体の絵自体を作って、あとは絵さえ壊さなければデザイナーの仕事だと思っているので、トーンさえLightroomで作れればそこで終了なんですよ。

−−ではPhotoshopを使うときはどんなときですか?

奥本:今、CS3、CS4、CS5と3つ使っているんですけど、色見本だけCS3で出すようにしています。別にCS4でもいいんですけど、単純に使い慣れているので。今はCS5でレタッチ作業をしながら、CS3はコンタクトシートを作って出しておいてと、バージョンをまたいで使っていますね。

−−利用頻度はLightroomが70%、Photshopは30%ぐらいですか。

奥本:そんなものですね。

−−Photoshopは本当に最後の最後のディテールの仕上げ用ですか。

奥本:仕上げとか、内容によってはピントがちょっと甘いところを直したり。例えばジュエリーや時計は面が大切で、ハイライトの部分などデータとしてはあるから、それを焼き込むとか。そういう作業に使用することが多いです。

−−パースやレンズ収差の修正などもLightroomでされているのですか。

奥本:パースは基本的にそのまま生かしますね。基本的に撮ったままっていうのを大切にしています。スナップから始まっている自分に求められている写真はそういう面もあるのかな、というのもあって。

−−なるほど、基本はライブなんですね。でも、作品によっては作り込んでいますよね。モデルの周辺に置く小物やアクセサリーは、現場に置いている場合と、あとから加えている場合があるように思います。

奥本:例えば男の子のコラージュ写真があるのですが(写真左)、基本的に男の子は全身のバージョン、座ったバージョンなどを同じライトで同じ水色バックに普通に撮っただけです。




▲HAIR MODE GIRL LOVES BOY「大久保美幸特集」(デジタル撮影)2009年(クリックで拡大)

▲HYAKUNICHISO GIRL LOVES BOY「大久保美幸特集」(デジタル撮影)2009年(クリックで拡大)




−−コラージュの背景の水色は元の背景の色なのですか。

常奥本:そうですね。実は切り抜きはわりと曖昧なんです。厳密な切り抜きでなくても大丈夫なようにしています。

また、別の写真はすごくシンプルに切抜きだけで(写真中)。まず横長の見開き分の画角でベースを作ります。別に花を物撮りして、それを組んで何枚かペースト。後で直せるように、花の枚数分レイヤーがあるんです(笑)。

−−Photoshopの機能も基本的なものだけですか。

奥本:切り抜きと、ひたすらマスクですかね。せっせせっせと、1個作ってそれをコピーしてということです。

−−1枚写真でパッと見せるのと、こういうふうにポストプロダクションで仕上げていくのとでは、どちちがお好きですか。

奥本:どっちも好きなんですよね。もともとモノトーンだけでやっていたところから、やっと色が使えるようになって。すごくファンシーなものも大好きだし、すごくクールなものも好きだしという、本当極端なんですけど(笑)。

−−信頼しているレタッチャーの方はいますか。

奥本:わりともう全部自分でやってたんですけど。誰かにやってもらおうとかは特になかったんです。肌を直すとかは印刷所で大丈夫だと分かっていたので。ただ最近、バンタンの後輩が野村浩司さんのところでレタッチャーをしていて、ちょっとした仕事とか頼んだらやってくれるようになりました。先輩後輩というのでワガママを言えるので(笑)。

●デジタルとフィルム、LightroomとPhotoshop

−−今はさすがにフィルムは引退ですか。

奥本:今はほぼ、9割5分デジタルですね。

−−95%ですか。とすると作業は、デジタルカメラ→Lightroom→Photoshopで納品の流れですよね。もうフィルムには戻れないとか、フィルムの表現が物足りなくなるとか、そういう感覚はありますか。今のワークフローのほうが最終的に自分のイメージを仕上げるのにいいとか、あるいは逆とか。

奥本:純粋に仕事ということで考えると、やっぱりフィルムだけでは物足りないというのは多くなりました。逆にフィルムでいいのももちろんまだあるんですよね、モノによっては。全然フィルムでいいじゃんっていうのもあるんです。だけど、ちょっと色を使うものに関しては、昔、色が使えていなかった頃の反動もあると思うんですけど、やはりデジタルがいいですね。なによりデジタルでは、彩度が調節できますよね。

しかも、今、時代的に望むべくフィルムがなくなってしまったんですよ。僕が最後に使っていたフィルムは、AGFA ULTRA100というすごくカラフルなネガカラーだったんですけど、それがなくなってしまって、その後コダックがやっぱりULTRAというのを出したんですよ。

それがもう本当に派手な色の出方をするので、これはいいなと思って使っていたんですけど、1年ぐらいでなくなってしまって。それと400の色がビビットなPORTRA 4000VCというのがあったんですけど、その色じゃやっぱり違うなと思って。で、フジのベルビアFというのがあるんですけど、それかと思ってしばらくベルビアで撮っていたんです。でもULTRAの頃の発色とは根本的に違うものになってしまったので、だったらデジタルのほうがよっぽど色をコントロールできるということになりました。

そういう意味で、色を単純なフィーリングだけで撮りたい写真に関しては、いまだにフィルムのほうが好きですね。



−−ポジフィルムは使わないのですか。

奥本:4×5で撮るときはポジが好きなんです。8×10は使うメリットが今はそんなにないし使い慣れていないのですが。4×5に関してはフジノン180のトーンがすごく好きなので。それとフジのアスティアで撮るトーンが好きです。

−−なるほど。ところでデジタル作業の場合、Photoshop CS5には新しい機能も追加されていますが、お使いになりましたか。

奥本:ちょうど今日行う作業で、「コンテンツに応じた塗り」を使う予定です。多分一番使うのはこれなのかなと思いました。パペットワープはどうしていいのか分からなくて(笑)。

−−パペットワープは集合写真の首をちょっとだけ動かすとか、そういうときに便利みたいですね。あと赤ちゃんの写真とか、思ったとおりに向いてくれないときに、例えばちょっと首を動かしたり手を動かしたりとか、向きの調整に便利と聞きます。

奥本:細かいコントロールが利くということですよね。ちょっと一生懸命使ってみたんですよ。モデルの親指を少し曲げてみるとか。

−−ポイントを当てていかないと曲がらないですよね。

奥本:ひとまず使い方は理解したんですけど。まだ自分の写真の中で有効に使えていないです。一応一通りは新しい機能を試してみたんですけど。

−−ちなみにCS3からCS4にバージョンアップされた理由はなんですか。

奥本:やはり機能が増えたことと使いやすく便利になったからですね。

−−奥本さんにとってPhotoshopを使うモチベーションは、生産性ですか、それとも表現力ですか。

奥本:作業自体にストレスがないのがすごく重要です。CS4は道具を全部表に並べている感じがありますよね。CS3は1回開けてからやらなきゃいけない感じがあって。CS4はその直接的な感じがよくて、これは大きいですよね。

−−CS5の新機能はある意味レタッチャーのための飛び道具的な面もありますが、カメラマンにはパレットのような地味な機能もいいのかなと思います。

奥本:うん、そうですね。パレットはすごく便利です。もっといろいろ遊べるようにはなるのかなとか思います。そういえばムービーファイルにも対応しているんですよね。

−−ムービーファイルもPhotoshopの中で編集できますね。例えば映像に傷がある場合、1枚だけ直すと全部直せたりとか、そういった編集ができます。Premiere Proと一緒に使うことができるので、映像系のユーザーにもCS5は使いやすくなりました。ちなみに奥本さんは5Dを使われていますが、ムービーも撮影するのですか。

奥本:先日初めて、5Dで少し動画をやらせてもらいました。ディレクターの方がいらっしゃるので、編集は全部お任せで僕は撮るだけという感じだったんですけど、自分で撮れるとこれから面白いですよね。ムービーはこれからですね。

−−あるCMディレクターの人も、5Dなら写真としても切り取れるし、映像としても使うことができるので「ビデオカメラじゃ絶対できないんだよこれ」と言っていましたね。

奥本:いやでも、スチルから見ると、ムービーは逆に辛いって思いましたけどね(笑)。写真はピントがあった瞬間だけ撮っていればいいじゃないですか。

−−動画は連続ですからね。

奥本:ずっとピントを合わせ続けるなんて無理だと思ってるのがベースにあるから、絞りたくなっちゃうけど、「これ絞りすぎると5Dで撮る意味ないよな」とかって(笑)。

−−カメラマンは今後、動画の需要にどう対応するかも重要ですね。

奥本:そうですよね、やっぱり。

−−ありがとうございました。


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