●PCJ Interview
・File12 飯田かずな
・File11 河合俊哉
・File10 酒匂オサム
・File09 P.M.Ken

・File08 高木こずえ
・File07 太田拓実
・File06 鈴木心
・File05 青山裕企
・File04 小山泰介
・File03 奥本昭久
・File02 常盤響
・File01 辻佐織

●Company File
・File08 アドビ システムズ
・File07 富士フイルム
・File06 駒村商会
・File05 ジナー
・File04 ハッセルブラッド
・File03 シグマ
・File02 フェーズワン
・File01 ライカ

●Overseas Photographers
File09 Josh Madson
・File08 Michael Kenna
・File07 Todd McLellan
・File06 Mona Kuhn
・File05 Diana Scheunemann
・File04 Albert Watson
・File03 Nick Meek
・File02 Rankin
・File01 Ron van Dongen

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▲8,000万画素を実現した最新のデジタルバック「IQ180」(クリックで拡大)

▲6,000万画素のハイエンドデジタルバック「P65+」(クリックで拡大)



●最新のデジタルバックIQシリーズ

−−デジタルバックは、HシリーズからPシリーズやP+シリーズ、そして2011年に発表されたIQシリーズへと進化してきましたが、最新のIQシリーズについてご説明いただけますか。


下田:IQに関しては、将来を見越して、かなりステップアップを果たした製品ではないかなと思います。基本的にIQシリーズはPシリーズの後継モデルになるのですが、転送スピードも速くなっていますし、内部や基板設計なども含め設計を刷新し、かなり大きなセンサーの搭載にも対応できるようなモデルに仕上がっています。今後を先取りする設計になっています。

それと、インターフェイスの面でかなり見直しを行いました。画面を指先でスライドすることで写真をスライドさせたり、タッチで画像が大きくなったり小さくなったりといった、iPhoneなどと同様の操作性を備えました。タッチパネルタイプの液晶ディスプレイは、今後、有望なツールになるのではないかと考えています。

液晶のことについて補足すると、レティナタイプのマルチタッチディスプレイなのですが、我々がずっとターゲットにしているプロのカメラマンの方は、寒いところに行って操作や撮影をするということもあります。ですから、今までのPシリーズ、P+シリーズと同様に、4つボタンも採用しています。手袋をつけたまま操作をすることもできるので、状況としても対応できる幅は広がっていると思います。

また、液晶部分にはフォーカスマスクという、撮影したらどこにフォーカスがくるのかということを露出警告のような形で知らせてくれる機能も搭載しています。その場で撮って確認することもできますし、やはり8,000万画素のレベルになるとよほど大きなモニターでないときちんと確認できませんから、簡単に確認できるようになると便利なのではないかと思います。

それに、デジタルバックでは初となる、液晶内でのライブプレビューができるようになる予定です。ライブプレビューというと今までは処理速度的な問題で難しく、液晶がついていてもFirewireケーブルでコンピュータにつないで撮ったものを確認するというのがメインだったのですが、今はコンピュータレスでライブプレビューができるようになりました。デジタル一眼の世界ではもう当たり前になってきていますが、デジタルバックの世界では画期的と言えますし、今までにないステップアップになるのではないかなと思っています。

−−CCDセンサーは、今後成長していく過程では、どのメーカー製でも選ばないということなのでしょうか。

下田:基本的には、どこのものを使おうと選んでいるわけではなく、その市場で一番良いものをセレクトしたなかで商品開発をして、市場のニーズに合うものを提供するようにしています。いろいろなメーカーさんのものをテストした上で採用していくという感じですね。

−−ここ10年をカバーする、あるいはそれ以上のパッケージができたということですね。

下田:そうですね。ハイエンドモデルにはセンサープラスというテクノロジーが採用されています。これは、CCDの撮像面を全部使った状態で、画素数の切替えができる機能です。具体的にいうと、6,000万画素モデルですと4分の1の1,500万画素、8,000万画素ですと4分の1の2,000万画素で撮影が可能です。これは特許をとっているテクノロジーが組み込まれており、クオリティの高い状態で画素数が小さくなるものです。撮像面のエリアはそのままなので、ボケ味なども表現することが可能です。

普段広告などの仕事をしない方だとしても、このセンサープラスという機能を使って、いつもどおり2,000万画素で撮っていただいていても、大きな広告のときには8,000万画素で使うことができるといったメリットがあります。通常の撮影には2,000万画素ぐらいでいいけれど将来的には大きなモデルが欲しいといった場合の投資という意味でも、IQ180などはご検討いただけるモデルなのではないかと思います。

●Captuer Oneの今後

−−Captuer Oneについて、もう少しお伺いしたいと思います。2011年にCaptuer One 6になって、機能的にかなりPhotoshopに近づいてきたのかなという印象があります。連結撮影、現像のためのソフトウェアからレタッチの分野までカバーするような、あるいはその先のプリントアウトの世界までカバーして来ていると思うのですが、今後の展開も含めて、Captuer Oneはどのようなソフトウェアに成長していくのでしょうか。

下田:今はやはり、最終的にRAWデータからどれだけのものが作り上げられるかというのが市場のニーズとしてあるのではないかという認識があります。ですから今後、ソフトウェアには、よりレタッチ的な機能が追加されていくと思いますし、撮影の現場で確認できるフォーカスマスクのような機能がどんどん盛り込まれるようになるのではないかと思います。

また、現在のCaptuer One 6では、動画を見ることはできるのですが、撮影や編集のための機能は特にありません。個人的には将来、ムービーの機能などが追加されるといいなとは思いますが、今後の市場動向にもよりますね。

−−ユーザーについて、プロとアマチュアの比率は公表されていますか。

下田:コマーシャルの方がはるかに多いといえます。アマチュア、ハイアマチュアユーザーが増えているというのはここ最近の話なので、市場でのユーザー比率が逆転するほどの数字の差はありません。けれども、確かにアマチュアの方々にも認識が広がっているという実感はあります。

−−デジタル一眼などでCaptuer Oneを使っているユーザーに向けて、よりクオリティの高い中判カメラの世界を広げるというアプローチもありそうですね。

下田:確かに、Captuer Oneを使っていれば、比較的スムーズにデジタルバックに入っていけるでしょうね。デジタル一眼を使っていたフォトグラファーに、後々デジタルバックを必要とする仕事が来た場合などに、Captuer Oneを使っていれば、Phase Oneを購入してもカメラが変わるだけですので、スムーズな仕事のワークフローが出来上がると思います。ソフトウェアは、ユーザーの裾野を広げるツールの1つであるとも考えられますね。そういった意味では、Captuer Oneがキヤノンをサポートしていたのは、市場として大きかったと思います。

−−現像ソフトでは競合となるLightroomなどはどのようにご覧になりますか。

下田:Lightroomも、撮って、現像してという作業フローのためのソフトウェアという点ではCaptuer Oneと同ジャンルですね。アドビというブランドもありますし、市場で多くのお客様が使っているソフトウェアだと思います。

Lightroomは、編集も画像管理もできるという点で、画像管理を別立てにしているCaptuer Oneとは異なっています。その点については、2010年、Expression Mediaというマイクロソフトが扱っていた会社がフェーズワンのカンパニー会社になりましたので、画像管理ソフトに強みを持つExpression Media社との連動によって、Captuer Oneもより総合的なソフトウェアにできると思っています。

また、フォトグラファーの目線で見ると、今のCaptuer Oneは機能が多すぎると感じる方もいらっしゃるようです。ずっと使っていらっしゃる方というのは、撮影をして、スムーズに作業ができて、ちょっとした処理ができて、現像できてという流れを助けるものがあれば足りるようですね。最終的にはPhotoshopで作業を行うので、機能を抑えて欲しいという要望もあります。けれど逆に、機能をもっと増やして欲しいというご要望も聞かれます。ですから、Captuer Oneは、ユーザーの使い方に合わせてカスタマイズができるようになっています。シンプルにすることもできますし、豊富な機能をすべて駆使していただくことも可能です。

●中判カメラの持ち味を生かした活動を

−−ここ数年の不況で、中判デジタルカメラの市場自体が伸び悩んでいると言われていますが、フェーズワンはいかがですか。

下田:堅調に動いています。逆に、このような状況だからこそ、裾野が広がっているという感じがします。今までは、デジタルバックも300〜400万円のモデルばかりでしたので、手の届かないものというイメージが強かったのですが、安価なモデルが出てくるようになってカメラマンの印象が変わってきたと感じています。今はAptus㈼-5など、100万円を切るモデルもあります。駆け出しのプロカメラマンなど、400万円レベルの大きな投資が難しい方が中間のモデルを購入されるというケースもありますので、幅広い層のカメラマンに使っていただけるようになってきたなという印象です。

−−メインのターゲットとしては、プロよりもハイアマチュアのほうが市場として大きいのですか。

下田:パイは大きいと思いますが、プロ向けの製品ですので、どう広がっていくかは未知数ですね。今までの中盤カメラの資産を生かしてデジタル化ができるので、これから広がっていくことを願っています。

ただ、Photo Imaging Expoなどのイベントでご案内していると、デジタルバックへの関心が高く、製品について詳しくご存知の方も多いです。「どこで買えますか」という嬉しい声もいただけます。認知が高まって裾野が広がっているということを嬉しく思います。ペンタックスさんが、4,000万画素モデルを出すということで盛り上がった時に、たまたま我々でも同じレベルのモデルを発表していて、なおかつプライスも安かったので、そういったところで市場に相乗効果があったのかなと思っています。

−−最後に、読者の方々にフェーズワンとしてのメッセージはありますか。

下田:価格面の話になりますが、デジタルバックは全体的なプライス自体が下がってきていますので、手に届くモデルが増えてきているのではないかと思います。ですから、たとえば、少しでもデジタルバックを使いたいと考えていらっしゃる方に、ぜひ中判デジタルバックというものを購入して使っていただきたいなと思っています。プライスが安いモデルもありますが、機能としては今までどおりハイエンドなものになっていますので、そういった安価なタイプも使っていただけるといいなと思います。

−−プロの撮影現場には、広告など中判が不可欠な撮影は当然ありますが、一方、取材モノの撮影などには機動力の面でニコンやキヤノンが多いようです。それらのシェアを、もっと組み込んでいこうという戦略などはあるのですか。

下田:デジタル一眼と競合していくというのは、かなり難しいと思います。高感度の面でも、ムービーが撮れたりというスタイルも全く違いますし、連写の性能などの点でもデジタル一眼は優れています。けれども、中判カメラが映し出すイメージ、中判カメラのレンズのクオリティやボケ味というのは、デジタル一眼レフにはないものなので、そこはアドバンテージだと思います。

一昔前のフイルムカメラ全盛の頃は、物撮りは中判カメラで、アクティブな撮影のときは一眼レフでという流れがありましたが、そうした形で、中盤デジタルの性能を生かし、撮影に応じて使い分けていただけるといいと思います。

−−デジタル一眼だけで仕事をこなしているカメラマンには、中判カメラは使い勝手の敷居も高いのかもしれません。

下田:ハイエンドモデルのデジタルバックというのは、使いづらそうだとか、コントロールが難しいと思われがちなのですが、特に撮影段階の設定などは、デジタル一眼の方が、いろいろなセットアップや機能を使いこなすという点では大変なところもあるのではないかと思います。

デジタルバックの多くは、基本的にはISOの設定をきちんととるということが押さえられていれば、あとはカメラ側で露出を適切にとっていただければ、いつもどおりのワークフローで使っていただけます。加えて、現像は基本的にはソフトウェアを通して行いますが、ソフトウェアも進化していいますので操作が複雑すぎるということもありませんし、スムーズな流れで処理していただけます。

それほど難しく考えなくても、撮影、現像、納品という流れができ上がってくると思いますね。さらに、こういったハイエンドのものは、やはり情報を得る場がかなり限られていると思いますので、セミナーやブログなどで情報を発信したり、お客様のニーズに合わせてお応えするという活動も行っています。

−−本日はありがとうございました。


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