●PCJ Interview
・File12 飯田かずな
・File11 河合俊哉
・File10 酒匂オサム
・File09 P.M.Ken

・File08 高木こずえ
・File07 太田拓実
・File06 鈴木心
・File05 青山裕企
・File04 小山泰介
・File03 奥本昭久
・File02 常盤響
・File01 辻佐織

●Company File
・File08 アドビ システムズ
・File07 富士フイルム
・File06 駒村商会
・File05 ジナー
・File04 ハッセルブラッド
・File03 シグマ
・File02 フェーズワン
・File01 ライカ

●Overseas Photographers
File09 Josh Madson
・File08 Michael Kenna
・File07 Todd McLellan
・File06 Mona Kuhn
・File05 Diana Scheunemann
・File04 Albert Watson
・File03 Nick Meek
・File02 Rankin
・File01 Ron van Dongen

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▲「TIME」誌の表紙を飾ったアンセル・アダムス。手元にはホースマンのカメラ(クリックで拡大)


▲ファインアートの略であるFAを型番の末尾につけたビューカメラ「45FA」。高性能、細部にいたる堅牢性、アオリ機構など、最高級に設計された本格的4×5インチ判テクニカルカメラ(クリックで拡大)



▲中国で人気を博しているというパノラマカメラ「SW617」。6×17のパノラマフォーマットで超広角撮影が楽しめる。シュナイダー、ローデンシュトックなど7種類のレンズが揃っている(クリックで拡大)




●ホースマンから輸入業者へ

−−1970年代以降は、35ミリから大判カメラまで、フィルムカメラ全盛の時代でしたね。


駒村:ところが東京光学機械が、ホースマンの製造をできなくなることになったのです。東芝が東京光学機械の親会社となったことで、どんどん量産品の製造にシフトしていったのです。

そこでカメラの製造技術のアウトソーシングを行い、東京・板橋にあった東京光学機械の協力会社に製造をお願いすることになります。ただ困ったのはレンズが作れなくなったことです。ホースマンは距離計レンズでしたので、本体と連動する必要がありま す。本体もレンズも作れる総合カメラメーカーは、当時はトプコン以外な かったんです。

そこでレンズをどうするかと言うことで、国内メーカーも回ったのですが、最終的にドイツのローデンシュトックと組むことになりました。ローデンシュトックは当初ペンタックスと提携していたので、半信半疑だったのですが、駒村商会でローデンシュトックの予想を上回る売行きを見せたんですね。そこでローデンシュトックは ヨーロッパでホースマンのスポークスマンにもなってくれて、それ以降、ローライやミノックス、ゴッセンなどの製品を駒村商会が日本で販売していく流れにつながっていきます。そう意味でもローデンシュトックとの付き合いは劇的でした。

−−これまでのホースマンのカメラにローデンシュトックのレンズを付けて販売されたのですか。

駒村:ローデンシュトックのレンズではホースマンは距離計連動できませんでしたが、ホースマンとしてはローデンシュトックのレンズを付けた4×5カメラを作りました。大は小を兼ねると言うことで、ブローニーの6×9サイズも撮影可能にしています。

−−ちなみにホースマンの語源はどこからきたのでしょう。

駒村:それは当時からよく聞かれました。ホースマンだからアメリカかイギリス製のカメラだと思われている方も今でも少なくありません。ホースマンは騎士、騎手といった意味ですよね。叔父はよく「鞍上人なく鞍下馬なし」と言っていました。中国の諺ですが、人馬一体という意味で、その思いをブランド名に託したのです。それともちろん駒村の「駒」から取っている意味合いもあります。

●レンズがすべての共通項

−−駒村商会は自社のカメラブランドとともにビデオカメラ製品の輸入販売も行っていますね。

駒村:1980年代になるとビデオの時代に入ってきて、 量販店さんがビデオカメラを販売されるようになってきました。

そこで駒村商会としては、プロ用の写真だけではなく、プロ用のビデオも扱おうと言うことになりました。まず1989年に、アントンバウワーという放送用ビデオカメラのバッテリーメーカーの代理店を 始めるようになりました。

−−ホースマンと言う国産カメラメーカーから、総合映像商社的にシフトしていかれるわけですね。

駒村:映像産業という分野でくくると、レンズと言う共通項があるんです。シュナイダー、ローデンシュトックなど のレンズメーカーは、スチル用、ビデオ用、産業用といったレンズを製造、供給しています。一方日本でも写真館や学校など、世の中もビデオ をどんどん取り入れるようになりました。そういった流れにおいて、我々はレンズを製造することはできませんので、レンズを輸入をしようとしました。

それとフジ、マミヤ、ペンタックスなどの中判カメラが台頭しはじめてきて、写真館は6×9や4×5といった大型カメラから徐々 に一眼レフの中判にシフトしていく時代になりました。そういった面から もビジネスの主軸をホースマンという1つの柱だけではなく、映像機器の分野にも置 くようになっていきました。

叔父は1986年に亡くなったのですが、ホースマンとしては今でも、6×12、6×17といったフィルムカメラやデジタルバック用カメラなど、他にないカメラを販売し続けています。ただこれらのカメラを叔父が見たら怒っていたかもしれません(笑)。




▲駒村商会が扱う輸入カメラより、ローライフレックス「6008AF」。オートフォーカスを搭載した世界初の6×6AE内蔵一眼レフカメラ。35mmカメラ感覚の簡単操作が魅力(クリックで拡大)


▲同じくローライフレックス「Hy6」。1台でフィルムとデジタルバック両方の撮影に対応した中判ハイブリッドカメラ(クリックで拡大)


●フィルムからデジタル時代へ


−−写真館が中判カメラに移行していく際、ホースマンとしての対抗措置は何かお考えになったのでしょうか。

駒村:我々はそこで、主に風景写真を撮られているアドバンスアマチュア層を狙うことにしました。 写真館市場に対しては全国で講習会を開き、例えば「アオリができると花嫁花婿の足が長く写ります」といっ た特徴を紹介していきました。写真館は七五三や成人式など季節の撮影が多いので、それ以外の期間でも、例えばファミリーレストランのメニューの写真など、いろいろなビジネスができることを訴求しました。メニュー写真の撮り方といったノウハウも紹介しましたね(笑)。

アドバンスアマチュアの方々にはアンセル・アダムスのテクニカル・コンサルタントのジョン・セクストンを日本に 呼んで、セミナーなど風景写真やファインアートの啓蒙活動を行っていきました。1991年 の頃です。例えばアンセル・アダムスが考案した「ゾーンシステム」というファインアートを生み出すテクニックの解説やセミナーなど行いました。モノクロの写真はカラーの目ではなくモノクロの目で見なくてはいけない。撮りたい被写体の中から、ハイライト、シャドー、その中間部を見つけなくてはいけない。その階調をどこに合わせるかがゾーンシステムの考え方なんです。

ジョン・セクストンはアンセル・アダムスのテクニカルコンサ ルタントでした。アンセル・アダムス自身も、80歳の誕生日に 奥さんのバージニア・アダムスさんからホースマンの4×5カメラをプレゼントされ、それ以来ホースマンのユーザーでした。

−−ホースマンはファインアートを撮るためのカメラという位置づけですね。

駒村:ファインアートはアンセル・アダムスとの出会いですね。ファインアートは写真を撮るだけではなく、暗室作業が7割だということを知りました。私自身、アンセル・アダムスの家にうかがって 暗室を拝見して感激しました。そこでホースマンの活路はここにあると確信しました。当時のホースマンの4×5のカメラ「45FA」のFAはFine Artの略なんです。

−−現在のユーザー層もアドバンスアマチュアが中心層なのでしょうか?

駒村:日本は変わりませんね。ただ、今でも中国のお客様は大判でフィルムを使った撮影をされる方が大勢おられますので、ホースマンのパノラマカメラが人気です。特に6×17のパノラマカメラ「SW617」 が非常に人気です。北京や上海といった都会より、内モンゴルなどの壮大な風景を撮るのに最適だからだと思います。

中国はやはり富裕層がこういったカメラのファンでして、日本製、ドイツ製のカメラはいくら高価でも購入いただいています。フィルムカメラ市場では今中国が断トツのナンバー1ですね。

−−デジタル時代になってからは、ホースマンブランドとしては、どのように対応されてきたのでしょうか。

駒村:フェーズワン、リーフ、ジナーといったプロ用のデジタルバックが出てきたので、我々はVマウント、Hマウントといったハッセルのマウントに対応したSWシリーズのデジタルバージョンなど、プロ用のカメラ本体を作っています。

それと「SW-D II Pro」という24mm(35mm判換算で18mm相当)から使える広角専用機を売っています。「LDシリーズ」はビューカメラで、後ろに各社のデジタルバックやニコン、キヤノンのデジタル一眼を付けられるのが特徴です。デジタル一眼でアオリを撮るためのカメラですね。そのコンパクト版が「VCC PRO」となります。

さらに最近は、ホースマンでパナソニックやソニーのビデオカメラを付けてアオリの動画が撮れる製品「Horseman TS-pro」も 展開しています。こちらは”動画でアオリ”が特徴ですね。




▲同じくミノックスの「DCC5.1」。クラシックカメラを1/3スケールで再現した5.1メガピクセルセンサー搭載のミニチュアデジタルカメラ


▲同じくドイツのゴッセンの露出計「DIGISKY」。薄型・軽量のコンパクト露出計。ムービーやシネ撮影にも最適な多機能型の新世代露出計



−−方、現在のアマチュア層は、中判デジタルではなくデジタル一眼が人気ですね。

駒村:数が比べ物にならないですね。デジタル一眼は2010年で1,300万台売れて、レンズで1,500万本です。一方デジタルバックは世界中合わせても数千台いくかどうかでしょう。ホースマンはその市場ではなく、アドバンスアマチュアおよびプロをサポートしていきたいと考えています。

−−最後に今後の展開をお聞かせください。

駒村:現在、写真館やプロカメラマンの数は減少傾向にあります。ホースマンカメラに関しましては、アドバンスアマチュアを中心に今後も展開しますが、ホースマンだけにこだわらず、世界のプロ用の名機を取扱っています。

駒村商会としては、映像業界により注力していきたい。放送業界向けの製品の輸入代理店としてはアメリカから4社、オーストラリアから2社の製 品を扱っています。

ローデンシュトックのレンズに関しては産業分野でも導入実績があります。これはマシンビジョンとかファクトリーオートメーションと呼ばれる分野です。例えばテレビ、コンピュータ用の液晶パネルの品質管理用として、その検証用にローデンシュトックのレンズが用いられます。パネルの四隅と中央、5つのレンズでノイズの発生を検証するシステムなどに利用されています。

それと今は、カメラメーカーだけでなく家電メーカーや携帯電話などの通信業界も写真に参入しています。業界の規模でいくと、写真業界が一番小さいわけです。我々は家電メーカーと競合するのではなく、一緒に動くにはどうすればいいのかを考えます。家電メーカーにも得て不得手があって、レンズは苦手なんですね。そこで先ほどの液晶パネル検証用レンズの他、工業分野のデジタルカメラのレンズ、色彩輝度系、アオリのカメラに関してはカメラだけでなくビデオや映画用機器にも使えるよう、製品群を広げてさまざまなアプローチを展開しています。工業用分野のバッテリーなども扱っています。

−−ホースマンを育てつつも、ビジネスとしては映像産業全般に広く浸透していくということですね。ありがとうございました。


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