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第28回 富士フイルム「X-T1」

このコーナーでは、コンパクトデジタルカメラからハイエンドカメラ、撮影用品、各種ソフトウェアまで、仕事や作品制作、趣味を問わず、プロカメラマンが使ってみたくなる話題のツールを毎回取り上げていく。

文:津島隆雄
1971年青森県生まれ。学校写真カメラマン、コマーシャルスタジオのアシスタントを経て1999年よりフリー。 物撮りから人物などさまざまな写真業務全般、画像処理全般を手がける。
http://gungh6.wix.com/takaotsushima




●富士フイルム「X-T1」基本スペック

・有効画素数  1,630万画素
・撮像素子   23.6mm×15.6mm(APS-Cサイズ) X-Trans CMOS II センサー
・撮影感度   ISO200〜ISO6400(1/3段ステップ)拡張感度ISO100/12800/25600/51200
・モニタ     3.0型 3:2アスペクトチルト式TFT液晶モニター 約104万ドット(視野率約100%)
・ファインダー 電子ビューファインダー 0.5型有機ELファインダー 約236万ドット(視野率約100%)
        ファインダー倍率0.77倍
・サイズ    幅129.0mm×高さ89.8mm×奥行き46.7mm(奥行き最薄部33.4mm)
・重さ     約440g(付属バッテリー、メモリーカード含む)


使用レンズ

●フジノンレンズ XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS
・レンズ構成  10群14枚(非球面レンズ3枚、異常分散レンズ1枚)
・焦点距離   18〜55mm(35mm判換算:27〜84mm相当)
・撮影距離   約60cm〜(全域)/マクロ30cm〜(広角)40cm〜(望遠)
・寸法     65mm×70.4mm(広角)/97.9mm(望遠)
・質量     310g

●フジノンレンズ XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS
・レンズ構成  10群14枚(非球面レンズ1枚、異常分散レンズ2枚)
・焦点距離   55-200mm(35mm判換算:84-305mm相当)
・撮影距離   約110cm〜(全域)/マクロ110cm〜(全域)
・寸法     75mm×118mm(広角)/177mm(望遠)
・質量     580g

●フジノンレンズ XF14mmF2.8 R
・レンズ構成  7群10枚(非球面レンズ2枚、異常分散レンズ3枚)
・焦点距離   14mm(35mm判換算:21mm相当)
・撮影距離   約30cm〜/マクロ18cm〜
・寸法     65mm×58.4mm
・質量     235g

●フジノンレンズ XF23mmF1.4 R
・レンズ構成  8群11枚(非球面レンズ1枚)
・焦点距離   23mm(35mm判換算:35mm相当)
・撮影距離   約60cm〜/マクロ28cm〜
・寸法     72mm×63mm
・質量     300g

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●X-T1の概要

創立80周年を迎えた富士フイルム。X-T1は評判の高いXシリーズの中で一眼レフデザインとダイアル操作を採用したモデルとなっている。筐体のセンターに配置されたEVFは世界最大のファインダー倍率0.77倍で、表示タイムラグも0.005秒と世界最短。また、-10°の耐低温、防塵、防滴の筐体は過酷な撮影現場でも高い信頼性を約束する。直感で扱えるダイアル操作によって、撮影者の意図を素早く確実に実行することができる。今までのXシリーズも完成度が高かったが、X-T1はさらに一歩進んだカメラとなっている。



●作例

今回は撮影したままのJPEGを使用。執筆段階(2014年3月初旬)でRAWデータはAdobeはプレビュー版で対応。CaptureOneは未対応。

◀・1/180/F16/ISO320/WB/5000K/Jpeg撮影
 ・ XF14mmF2.8 R(35mm判換算21mm)
 ・Filmシミュレーション/PROVIA(スタンダード)
 ・ダイナミックレンジ/オート

 (クリックで拡大)


絞り込むことによる解像力低下を、独自の点像復元技術によって解析復元を行いXFレンズの性能を最大限に利用できる。絞り込んでの撮影を躊躇することはない。絞り込んでも大変シャープで解像力の高さにも驚かされる。

◀・1/250/F16・ISO320/WB/5000K/Jpeg撮影
 ・ XF14mmF2.8 R(35mm判換算21mm)
 ・Filmシミュレーション/PROVIA(スタンダード)
 ・ダイナミックレンジ/オート

 (クリックで拡大)


手前から奥までぎっちりとピントの合った写真を何の心配もなく撮影できる。今回は使用できなかったが、スタジオでの物撮など、絞って使用しなくてはいけない場面でどれくらいの効果があるのかを検証してみたい。

◀・ 1/180/F16/ISO320/WB/5000K/Jpeg撮影
 ・ XF14mmF2.8 R(35mm判換算21mm)
 ・Filmシミュレーション/PROVIA(スタンダード)
 ・ダイナミックレンジ/オート

 (クリックで拡大)


背面のチルト液晶はローアングルなどもストレスなく撮影できる。液晶はクリアで視認性もよい。しかしチルト液晶は横位置の時はいいのだが、縦位置での使用は使いづらくなってしまう。今後は縦でも横でも自在に撮影できる方式の採用に期待したい。

◀・ 1/1000/F7.1/ISO400/WB/オート/Jpeg撮影
 ・XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS 
  24.3mm(35mm判換算36mm)
 ・Filmシミュレーション/PROVIA(スタンダード)
 ・ダイナミックレンジ/オート
 (クリックで拡大)


◀・1/30・F9/ISO800/WB/オート/Jpeg撮影
 ・XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS 
  21.4mm(35mm判換算32mm)
 ・Filmシミュレーション/PROVIA(スタンダード)
 ・ダイナミックレンジ/オート
 (クリックで拡大)


定評のあるXF18-55mm F2.8-4 R LM OIS。標準ズームにあたる。単焦点のXFレンズは絞り値がしっかりレンズに刻まれているが、ズームレンズは絞り値が刻まれてなく、可動リングになっている。実はこの可動リングによる絞りが使いにくい。単焦点とズームを頻繁に交換して撮影していると、ズームレンズだけが、絞り値をファインダー内あるいは液晶で確認しなければならず、ストレスを感じる。しかし、今後発売が予定されているF2.8通しのズームレンズは単焦点と同じ様に絞り値が刻まれているので操作にストレスを感じることはなくなるだろう。発売が待ちどおしいレンズである。

◀・1/30/F5.6/ISO800/WB/オート/Jpeg撮影
 ・ XF23mmF1.4 R(35mm判換算35mm)
 ・Filmシミュレーション/PROVIA(スタンダード)
 ・ダイナミックレンジ/オート
 (クリックで拡大)


◀・1/125/F2.8/ISO400/WB/オート/Jpeg撮影
 ・ XF23mmF1.4 R(35mm判換算35mm)
 ・Filmシミュレーション/PROVIA(スタンダード)
 ・ダイナミックレンジ/オート
 (クリックで拡大)


こちらも定評のあるXF23mmF1.4 R。35mm判換算で35mmF1.4にあたる定番レンズ。開放から素晴らしい高画質で、さらに絞っても高画質を維持する。一眼レフデザインのカメラでダイアル操作なので、単焦点レンズを使うと、「写真を撮っている充実感」をもっとも感じる。

◀・1/180/F5.6/ISO400/WB/5000K/Jpeg撮影
 ・ XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS
  148.5mm(35mm判換算223mm)
 ・Filmシミュレーション/PROVIA
(スタンダード)
 ・ダイナミックレンジ/オート
 (クリックで拡大)


世界最大のファインダー倍率0.77倍、表示タイムラグ0.005秒の世界最短EVFは、こういった動きのある動物の撮影でも、違和感なく使える。長時間の使用でも目が疲れることもなく、しっかりと撮影をサポートしてくれる。

◀・1/1600/F4.8/ISO800/WB/5000K/Jpeg撮影
 ・ XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS 200mm(35mm判換算300mm)
 ・Filmシミュレーション/PROVIA(スタンダード)
 ・ダイナミックレンジ/オート
 (クリックで拡大)


XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISは35mm判換算305mmまでの望遠ズーム。580gとそれほど重くなく、小型のズームレンズになっている。常用でも35mm判換算305mmまであればさまざまな被写体を撮影できる。X-T1も小型なカメラなので、フットワークも軽い。また、このレンズも絞りは可動リングである。今後の発売予定レンズにF2.8通しの望遠ズームでは絞り値が刻まれるようなのでこちらも期待したい。

◀・1/70/F4.5/ISO200/WB/5000K/Jpeg撮影
 ・ XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS 156mm(35mm判換算234mm)
 ・Filmシミュレーション/PROVIA(スタンダード)
 ・ダイナミックレンジ/オート
 (クリックで拡大)


画質に関してはもう話す必要のないくらい定評のあるX-Trans CMOS II センサーとフジノンレンズである。ローパスレスのセンサーは細かいところまでしっかりと解像する。

◀・1/640/F4.8/ISO800/WB/5000K/Jpeg撮影
 ・ XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS 200mm(35mm判換算300mm)
 ・Filmシミュレーション/PROVIA(スタンダード)
 ・ダイナミックレンジ/オート
 (クリックで拡大)


AFの反応、シャッターの反応も十分速く、とっさの撮影でも対応する。

◀・1/500/F4.8/ISO200/WB/5000K/Jpeg撮影
 ・ XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS 200mm
  (35mm判換算300mm)
 ・Filmシミュレーション/PROVIA(スタンダード)
 ・ダイナミックレンジ/オート
 (クリックで拡大)


基本はISO200から6400までで、拡張感度によってISO100、12800、25600、51200が使用できるが、拡張感度域ではRAW撮影ができないので注意が必要である。できれば拡張感度域でもRAW撮影が行えるようにしていただきたい。また、明るいレンズで開放域の場合、1/4000では露出オーバーの場合がある。次のカメラでは1/8000やISO50への対応も現行のボディサイズで期待したい







最近のカメラには必須になったWi-Fi。簡単にスマートフォンなどと接続できる、リモート撮影、画像取り込み、画像閲覧、位置情報の添付などが行える。

◀クリックで 動画スタート


◀クリックで 動画スタート


動画に関してもフルHD1920 x 1080 60p/30pをワンボタンで撮影可能。また、EVFを使用しての撮影ができるため、しっかりとカメラを構えてファインダーを覗いて動画が撮れる。XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISでは背面液晶での撮影は撮影しづらく、ブレやすいが、EVFを使用することでしっかりと撮影できる。



近年のミラーレスカメラは、特にEVFの完成度がカメラ全体の完成度を高めている。これまでのお散歩カメラ、趣味カメラから仕事カメラへと変貌させているほど、ミラーレスカメラの完成度には目を見張るものがある。

その中でもX-T1はすでに完成されつつあるカメラで、仕事で十分使用できることを確信できる高度な完成度を持っている。防塵防滴耐寒の筐体。OVFに匹敵するEVF。高画質を得るための点像復元技術、より高速に使用するためのUSH-II対応など、技術も完成度も高い。

おおよそ、通常使用ならば、まったく問題も不満もない仕上がりだ。後は我々使う側が素晴らしい作品を撮るだけである。


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